契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
「倉田さんは、パリで人気のマカロンというお菓子に、日本が誇る美味しいお酒を使おうと思ったわけですよね。それが無理なら、この土地でポピュラーな食材を使った和菓子を作るっていうのはどうでしょうか? もしそれができれば、パリの人も和菓子に親しみがわくでしょうし……って。あの、素人なのにすみません」
思いのほか熱く語ってしまったことに恐縮しつつ、倉田さんと彰さんを交互に見て二人の反応をうかがう。
「いいかもしれないな……。俺も仕事で海外で来ると、やはり日本と同じ食材が現地になくて困ることがよくある。そういう時は日本からの輸入食品を扱う店で事を済ませてしまうが、その土地の食材をうまく使うという手もあるか」
彰さんは顎に手を当て、なかなか名案だという風に言ってくれるけれど、やはり作れるかどうか判断するのは倉田さんだ。
一番気になる彼の反応を、ドキドキしながら待っていたら。
「結奈さん……いいよ、それ。今、俺の頭の中にアイデアが降ってきた」
「えっ。倉田さん、本当ですか!?」
「ああ。……今から急いで買い物に出てくる。イベントまでには帰るから!」