契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
vanillaのとの直接対決イベントは滞りなく進み、結果発表を待つだけとなった。
倉田さんも毬亜さんも全力を尽くし、どちらも素晴らしいお菓子を作った。
「さて、勝利を手にしたのはいったいどちらなのでしょうか。老舗和菓子店道重堂か、それとも新進気鋭の洋菓子店vanillaか。投票結果はこちらです!」
日本語とフランス語、同時通訳のアナウンスが会場に流れ、会場のスクリーンに点数を表示したパネルが表示される。
祈るように手を合わせてスクリーンを眺めていた私は、結果が表示された瞬間、大きく目を見開いて隣にいた彰さんに抱きついた。
「勝った……! 勝ちました! 彰さん!」
思いのほか大差をつけた票数での、道重堂の勝利だった。
彰さんも嬉しそうに目元を緩め、スクリーンに見入っている。
「ああ。……勝ったな。一時はどうなることかと思ったが、さすが倉田だ」
ちらりと視線を向けた先には、見事勝利を収めた倉田さんが、今回作った和菓子について説明を始めるところだった。
日本酒マカロンを諦めた彼が作ったのは、一見普通の和菓子にしか見えないシンプルな三色団子。
ただ、通常緑色のヨモギ団子であろう部分が、きれいな青色をしている。