契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~

「ピンク色の部分には、パリでなじみのある野菜のひとつである、ビーツを使いました。それから白の部分には、フランス産クリームチーズを練りこんであります。青色はね、最初は現地で採れる緑の野菜で作ろうかとも思ったんですが、どうしても青にしたかったので、ブルーキュラソーを使いました」

倉田さんは苦手であろうインタビューに応じながら、彼がそうまでして〝青〟にこだわった理由を語った。

「こんな遠く離れた場所で、日本の食文化のことについて知ろうとしてくれるパリの方々に、なにか感謝を表すようなお菓子が作りたいなと思って……それで、トリコロールカラーにしようと思ったんです。私たちをこのような楽しくて美味しくて、勉強になるイベントに参加させてくださって、ありがとうございました」

倉田さんはそう締めくくり、深々と頭を下げる。

同じく道重堂の一員として、私や彰さん、ほかの社員たちも、そろってお辞儀をした。

会場が大きな拍手に包まれる中、私は小さなすすり泣きが聞こえた気がしてその方向を振り返る。



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