契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
「それでも、彰に……道重堂に叩きのめされなきゃ、それ認めたくなかったからさ。わざと自分らを追い込むために、日本酒拝借しちゃった」
いつもの軽い口調で冗談めかすけれど、きっと本心なのだろう。
彼にはいろいろされたから同情はしないけれど、不器用な人だとはと思う。
「……なんで、それを私に教えてくれるんですか?」
「んー? だから、言ってるじゃん。俺は、結奈にひと目惚れしたの。ねえ、これが最後の告白だから、もう一度だけ言うよ?」
姿勢を正した彼が、まっすぐに私を見る。
いつもふざけてばかりの彼の真剣な瞳にちょっと動揺するけれど、私の答えは決まっているので、取り乱すことはなかった。
「彰なんてやめて、俺にしなよ」
私はすうっと息を吸い、断るために口を開いた。……のだけれど。
「ってか、無理やり奪っていい?」
私の答えを待つより先に、平川さんの手が私の顎に添えられる。
えっ。ちょっと、そんなの反則……っ!
キスされるかもと思って、ぎゅっとまぶたを閉じたその時。