契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
ダメだ。夫婦になってだいぶ経つけれど、やっぱり自分からキスするのって勇気いる……。
仰向けで抱えたクッションに顔を押し付け、心の中で悶えていたそのとき。
ギシッとベッドのスプリングが鳴って、すぐそばにパソコンに向かっていたはずの旦那様の気配がした。
かと思えば、彼は私の手から無理やりクッションを奪うとしたり顔で指摘した。
「……やっぱり赤くなってる」
「も、もう! 自分でもわかってますからいちいち言わないでください!」
そして彼の手からクッションを奪い返そうとしたけれど、優しく手首をつかまれたかと思うと、ベッドに組み敷かれてしまう。
ドキン、と胸が鳴り、私はおずおず上目遣いで尋ねる。
「あれ? お仕事は?」
「別に後でも構わない案件だ。というか、結奈が俺を煽ったからその気になったんじゃないか」
「あ、煽った? 私が、いつ?」
そんなつもりはないのにと慌てる私に、彰さんは甘く妖艶な声で告げる。