契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
午後四時ごろ、彰さんおすすめのプリン専門店にやってきた。
店内にはイートインスペースもあり、そこでプリンを食べながらまったり休憩しようということになった。
さっそくショーケースを覗いた私は、そこに並ぶ様々な種類のプリンにテンションが急上昇。
「ここはまずプレーンを味わってみるべきか。いやでも、抹茶、小豆、ほうじ茶……私の愛する和風味もよりどりみどりだし……うう~迷います~」
心の声をそのまま口に出したら、彰さんが苦笑してお店の人に伝える。
「とりあえず、小豆とほうじ茶をひとつずつ、ここで食べます。あとは適当におすすめを五つくらい持ち帰り用にしてください」
五つか……そうだよね。こういう店の手作りプリンは賞味期限も短いし、それくらいで我慢しておくのがちょうどいいんだろう。
それでもなんとなく名残惜しくて、私がショーケースを眺めていると、彰さんが優しくげんこつを落とす。
「また連れてきてやるから今日はこれで我慢しろ。で、飲み物なんにするんだ?」
「あ、すみません。ええと……アイスティーで」
「じゃ、俺はアイスコーヒー」