上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※


よく見ると周りの社員らしきやつらが俺たちを見てる。変な噂をたてられても厄介だ。話をやめない真奈美をなだめ俺たちは智史と待ち合わせてる店に行くことにした。


軽く飯を食った後は昔から3人でよく行く馴染みのバーに移動した。
最初の一杯で真奈美は寝てしまいこれもいつものことで真奈美用の膝掛けをマスターが用意してくれている。

俺はビールのグラスを持ったまま亜子のことを考えていた。
亜子に男?いや、それならまず俺と別れるだろう。
ではあの男は誰だ?


「珍しく考え事か?」

俺の隣で座って飲んでる智史は相変わらずマイペースに話しかけてきた。

「今日はずっと変だな。もしかして女か?」

「おまえには関係ねーよ。
俺のことより自分の事どうにかしろよ」

俺は寝てる真奈美の方に視線を当てて智史にあてつけるような言い方をした。

「尊には真奈美が世話になってるな。いつも悪い」

「2人でしっかり話せばいいだろ。真奈美だって分かってくれるさ」

「あぁ、そうだな。今度話してみるよ」

真奈美の為にはそれがいいだろう。
正直会社に来られるのは困っていたとこだし亜子に視線を逸らされたのも意外とショックだった。


「なぁ、それよりどんな子? 尊がそこまで夢中になるなんて興味ある」

「おまえなぁ、俺のことより真奈美だろ!」

「分かってるよ! で、尊の彼女はどんな子なんだ? 噂に聞くとテーブルマナーも完璧な可愛い子だって聞いたよ」


俺と智史の母親は独身時代からの友人で、今でもよく会ってるらしいがまさかそんな所で話が出てるとは思いもしなかった。


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