上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
愛すこと愛されること


2日後、私は勤めてる会社に行くために東京へ向かう。
考えて考えて出た答えは、会社を辞めて地元に帰るということだった。


朝一でオフィスに行ってみんなに挨拶をした後、恵奈ちゃんに用意しておいた引き継ぎの業務内容を書いたノートを渡してやり方を教える。

書いてきた辞表は本当は直属の上司に渡す規則だけれど、結城課長は出張中で留守にしている為代理の人に頼んで渡すことにした。


「藤井せんぱぁい、なんでやめちゃうんですかぁ。私、会いに行きますからね」

恵奈ちゃんに泣かれて私までもらい泣きしてしまう。
会社を出る際に一緒に泣いていた雅は涼太が待っているエントランスまで付いてきてくれた。

「亜子、落ち着いたら連絡して! 帰っても友達だからね!」

「うん、もちろんだよ! 今までありがとう。また連絡するね。これ結城課長に渡してほしいの」

鞄から1枚の手紙を出して雅に渡す。
この間、結城課長からきた電話で出張中なのは知っていた。
自分の口から言えばいいのかもしれないけれど、まだその勇気はなくて私の素直な気持ちを書いて渡すことにした。

「話さないの?」

「たぶん泣いちゃうから」

私は笑って雅に手紙を託し会社を後にした。


その後、マンションに行って必要な物だけ簡単に荷造りして涼太の車に乗せる。
部屋は涼太が東京へ仕事に来る時にそのまま使うと言うことになって解約しないことにしたそうだ。

「他に乗せるのはないか?」

「うん、とりあえずこれだけあれば大丈夫。涼太ありがとう」

部屋にお礼を言った後、涼太は私を乗せて長野へ向かって車を走らせた。



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