上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※


俺が帰る時、藤井はまだ残っていたようだった。
今日中に締め切りの仕事はないはずだからもう少ししたら来るだろう。
待ち合わせのカフェに着いたが、中には入らず外で待つことにした。



いつもは藤井が先に着いていていることが多くざっと1時間は待たせてるんじゃないだろうか?
店内で飲み物を飲んでいる彼女に遅れたことを謝ると「次に飲むの決めてたんで飲めてラッキーでした」と言っていつも許してくれる。



藤井とはじめて会ったのは研修期間を終え俺の同期である水野の後輩として部署に入って来てからだった。


今時の若い子っていうよりは落ち着いた雰囲気で大人しそうなイメージだった。


当時、俺は社内では手を出さないと決めてたものの外では好みであれば来るもの拒まずといった感じで相当遊んでた。


社内ではよく告白されていたが後々トラブルが起きても面倒だ。
それに自慢じゃないがモテる。性欲を満たしてくれるだけなら外で十分だしあと腐れなくて楽というのもある。



そういえば昔水野にも告白されたこたがあった。水野は俺にとって気の合う同期の1人で、センスの良さやデザインの感覚が似ていて人として信頼できるやつだった。


だが、俺には中学の時からずっと一緒で仲のいいやつが2人いる。
その2人は後に付き合うことになるのだが、俺はずっと彼女のことが好きだった。
彼女は俺を友達としてしか見てくれず、ずっと相手の相談に乗っていた。
2人の間に俺が入る隙は1ミリもない。

俺に告白した時の水野はとても真剣な顔をしていてそれを笑って断れる感じではなかった。
だから俺も他に好きな人がいると正直に水野に話した。


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