上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※

「だって見てればわかりますよ! 結城課長が藤井先輩を見つめる時なんてすごく優しい目をしてるんですよ〜。 あと藤井先輩と賢人くんが話してる時なんてめちゃくちゃ冷たい目してますからね」

「え? なんで?」

「なんでって前に賢人くんが藤井先輩を好きだったの知ってるからですよ!」

それまで黙って聞いてた桐生が「はあ?」と大きな声で聞き返した。

「何だよそれ?」

「1月頃だったと思いますけど結城課長に聞かれた事あったんですよ」


たしかに桐生に告白された事はある。でも、もう3年以上前のことだし桐生もそのあと他に彼女いたりしたのにどうして今更?
桐生も気になったのか恵菜ちゃんに問いかける。


「恵菜、その時何て言ったの?」

「前に社内で賢人くんと藤井先輩のこと噂になったことがあったんですよ。 だからそんな噂がありましたねって言っただけですよ。 それから何となく気になって結城課長の様子を見ていたらわかったんです」

「わかったって何が?」

恵菜ちゃんの意味深な発言に雅も問いかける。


「藤井先輩って仕事中結城課長のことほとんど見ないですよね? でも結城課長はちょくちょく藤井先輩のこと見てるんですよ! 昨日見ちゃった車の中のキスも多少強引だったけど、その後の藤井先輩を見つめる目なんてすっごく甘い雰囲気で見ててこっちが恥ずかしいくらいでしたよ!」


「え、恵菜ちゃん、もうそれは忘れて!」

思い出しても恥ずかしいのに見られてたなんて信じられない……。


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