上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
佐山さんは涼太の秘書をしていて車で移動する際は運転手もしてくれている。
年は涼太より10才くらい上って言ってたから40代かな?
お父さんの代から秘書をしてくれていて涼太にとっても頼りになるお兄さんみたいな存在なんだと思う。
「佐山さん、ずっと外で待っててくれたんですか? すみませんでした」
私が謝ると佐山さんではなく涼太が話してきた。
「亜子が会社の近くに車で迎えに来るなって言うからだろ。 そのまま迎えに行っていいなら佐山も雨の中待たずにすんだのにな」
「だって一般の女子社員がベンツでお迎えってありえないでしょ? そんなとこ見られたら会社中で何言われるかわかんないんだからね!」
車の事はよくわからないけどベンツが車の中でも高級車という事くらいは覚えた。
「私のことはお気遣いなく。 それよりも社長こそ1時間はあの場所で待ってましたよ。 会うことができて良かったです」
佐山さんの言葉を聞いて思わず涼太の方を見た。
「佐山、余計なこと言うな」
涼太はブスッとした声を運転席に向けて言った。
私の仕事が何時に終わるかもわからず待っててくれたり、私の背中に腕を回して雨に濡れないよう傘に入れてくれたり。
側から見れば恋人同士のようだけど私と涼太にはそういった感情が全然ない。
涼太の愛情は私を妹としてのものだし私も兄として涼太のことを信頼している。
世の中には血の繋がった本当の兄妹でも仲が悪い人達もいるのに私は本当に大切に思われていると思う。
「涼太、 ありがとう」
恥ずかしくて小さな声で呟くように言った言葉は、ちゃんと涼太の耳に届いてて私の頭を撫でてくれた。