上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
涼太は毎回何をあげていいのか分からず今回もバーバリーのハンカチにハンドクリーム、
それとお母さんの好きなお店のコーヒー豆といったまとまりのないプレゼントだ。
人前ではわりと紳士な涼太だが、家族の前となるとどこにでもいるただの青年になる。
最後に私の番になりバックの中でプレゼントの箱と手紙が入った封筒を手にしたけれど、バックから出す直前で封筒を放しブローチが入っている箱だけを取り出した。
「お母さん、誕生日おめでとう」
プレゼントを渡すとお母さんは桐でできている小箱を開けて目をキラキラと輝かせてくれた。
「素敵なブローチね。 亜子ありがとう!」
「私がデザインしてみたの。 手直しがあったら言ってね」
「亜子がデザインしたの? 手直しなんてあるはずないじゃない! さっそく使わせてもらうわね」
お母さんはそう言ってさっそく服に留めて見せてくれた。
花をモチーフにしたブローチは、柔らかいイメージにしたくてややカーブのあるデザインにしたんだけどお母さんのイメージとぴったりで我ながら良くできたと思う!
ブローチと一緒に渡そうと思った手紙は、一瞬レストルームで聞いてしまった涼太の同級生達の言葉を思い出してやめてしまった。
かわいそう……そんなの気にしてないはずなのに、たった5文字のその言葉は思ったよりも胸の奥底に突き刺さったみたい。
でも今は考えちゃいけない!
だってお母さんの誕生日なんだし。笑顔でお祝いしなきゃ!
滅多にしないことだけど今日だけはお酒の力を借りて陽気に楽しむことにした。