突然ですが、兄貴が出来ました!
蒼ちゃんこと、赤地蒼介は俺の2つ上の幼馴染で、何を隠そう俺の初恋の人。
え?なんで男が初恋の人なのかって?
俺の幼馴染の蒼ちゃんは、今の桐楠学院大学付属高校では「女神」と呼ばれている。
そう、男なのに女神。
蒼ちゃんは中性的な美貌をしていて、とにかく綺麗なのだ。
幼い頃は女の子に間違われて、何度も変質者に追い掛けられたり誘拐されそうになっていた。
蒼ちゃんの容姿もそうだけど、色素の薄い髪の毛と瞳。
色白の肌が、元々の綺麗な蒼ちゃんの美貌を引き立てている。
身長も165㎝で身体つきが華奢なので、黙って立っていたら女性に見えてしまう。
俺も容姿が母さん似なので、女の子に間違われる事はあるけど…。
高校に入ってからの蒼ちゃんは元々の容姿の美しさに加えて、何て言うか…妖艶さが加味されたように思う。
時々見せる憂い顔なんて、同性の俺でさえドキリとしてしまう。
そんな蒼ちゃんの傍で、いつも蒼ちゃんを守るように寄り添っているのが秋月先輩なのだ。
秋月先輩は、学校では「騎士(ナイト)」と呼ばれている。
剣道部で道着を着ている姿から連想されたのもあるけれど、何度か蒼ちゃんに襲い掛かろうとした暴漢を一網打尽にしたらしい。
学校では、蒼ちゃんと先輩は公認の仲で…。
表立っては友達となってはいるけれど…、多分、恋人なんだと思う。
蒼ちゃんに寄り添うように歩く姿は、友達にしては親密で…。
俺は桐楠学院大付に入学してから、胸が痛む思いをしていた。
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