私の専属王子は金髪君
勢いよく教室を飛び出して
靴を履きかえたはいいけど
何処に行くのか聞いていない私は
玲央が隣の下駄箱から出てくるのを待った。


だけど、一向に出てこない玲央が気になり


「玲央?」


名前を口にしながら
隣を覗いてみても
そこには誰も居なかった。


「…え?」


訳が分からず
辺りをぐるっと見回してみても
帰る支度をしている
他の生徒たちがいるだけで
玲央の姿は見えなかった。


もう一度名前を呼ぼうかと思ったけど、
案外人が多い今の下駄箱で
玲央の名前を呼ぶのは気が引けて
各クラスの下駄箱を覗いてみることにした。


…けど結局どこにもいなくて。


「…なによ、やり直しするとか言ったくせに。」
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