恋愛イデアル。
虚無からの再生。
虚無からの再生。

暖かい日差し。
スマホで音楽を聴く。

「そういえば、植物研究を深めないとな」とイデアル。
「しかし、我々、つねに砂の城のようですよ」と長月遥。

イデアルは考慮し。

「しかし、生きていくというのはそういうことだ。
出会ったひとびとがいるだろう?」

「確かに」と長月遥。
「我々は孤独か?

孤独を感じたいだけではないか?」

「どういうことでしょう?」

「砂の城もまた一つの諸相(しょそう)に過ぎず・・・
我々は可能性に満ちているんだよ」とイデアル。


「イデアル。
それは分かっていない。

今まで何度となく積み上げては崩れ落ちる浜辺の砂の城を味わったのか・・・」と長月遥。

長月遥が恐れているのはそこであった。

イデアルはいう。

「だがそのとき君は解放される喜びを感じたのではないか?」

長月遥がはっとした表情。

「我々、宿命を受け入れるべきだろう。
それが本質的なことかも含めて」とイデアル。
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