恋愛イデアル。
ゲームとしての深み。
教室。イデアルはスマホゲームをしていた。
女子高生。

「はあ。
花冷えですよね」とイデアルに話かける長月遥。

教室で。
長月遥は文庫の小説本を読んでいた。

イデアルはスマホゲームのようだ。
スマホの画面を見せるイデアル。

「ほう。RPGゲームだ」と長月遥。
「これはだな」イデアルはゲームタイトルを説明する。
地味な画面だ。

「これ、一見造りが地味なんだよ。
洋ゲーっぽいデザイン入れてるし。
で、操作はシンプル。

基本は戦って少しずつ強くしていくゲームだ」とイデアル。

「それってどういうことでしょう?」
「たぶん、達成感を味わうゲームだな。
造りが、ゲーム通でも少し変わった好みだという感じがあって、それが分かる自分に満足出来る」とイデアル。

「ふむ」と長月遥。
「つまりだ。
このゲームのバトルはRPGだが、簡略化した将棋のシステムなんだ。
ストーリーも地味。
でもクリア後、キャラが強化されるパーツが手に入って、持ち駒が増えていくときの素朴な喜びがある。
古くは、バックギャモンやチャトランガ、将棋から始まってついにゲームはここまで来たのか。という人類の歴史の悠久を味わう喜びともいえる」とイデアル。

「それは興味深いな」とリンネ。
「だろ?」とイデアル。

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