恋愛イデアル。
掌編。
宇宙の砦。

水守市に雨が降る。
夏休み後半。

前線の影響なのだ。

「それにしても冷えますねえ」と長月遥。
「そういうものだろ?」とリンネ。

リンネは文庫本を読んでいた。

イデアルがいう。

「夏とは何だろうな?」
「それは四季だ。
主に自転軸の傾きから来る」とリンネ。

「それって結局は古来より日本は変わらなかった、ということでは?」

「そうでもないんだな」とリンネ。
「どういうことだ?」とイデアル。

「気候には重解やカオス解がある。
結局、恒久と呼べるものは少ないのだ」

そういえば、とリンネは思い出す。
少し前に日本文学の掌編を読んでいた頃を。
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