365日のラブストーリー
「あ、わかりました」
有紗の席を通り過ぎるときに、宇美が肩に手を乗せてきた。見上げると、なぜか宇美がにやにやと口元を緩ませている。
宇美がオフィスを出てから少しして、人事部の扉がノックされた。有紗は誰よりも先に飛んでいった。心の準備はまだできていないが、これは仕事だ。できる限り心を空っぽにしてから扉を開けた。
「おつかれさまです」
今日の神長は紺のスーツの下にチャコールグレーのニットを合せている。Vネックの襟元からはのぞくライトブルーのシャツには清潔感がある。写真の見過ぎで脳内に焼き付いてしまっていた姿とはまるでちがう装いに、有紗は言葉もなくただ見とれていた。
「先日はありがとうございました」
神長は周りに配慮したのか、抑えた声で話しかけてきた。その声に、休日を一緒に過ごしたときと同じ親しみのようなものを感じて、有紗の頬が赤く染まっていく。
有紗の席を通り過ぎるときに、宇美が肩に手を乗せてきた。見上げると、なぜか宇美がにやにやと口元を緩ませている。
宇美がオフィスを出てから少しして、人事部の扉がノックされた。有紗は誰よりも先に飛んでいった。心の準備はまだできていないが、これは仕事だ。できる限り心を空っぽにしてから扉を開けた。
「おつかれさまです」
今日の神長は紺のスーツの下にチャコールグレーのニットを合せている。Vネックの襟元からはのぞくライトブルーのシャツには清潔感がある。写真の見過ぎで脳内に焼き付いてしまっていた姿とはまるでちがう装いに、有紗は言葉もなくただ見とれていた。
「先日はありがとうございました」
神長は周りに配慮したのか、抑えた声で話しかけてきた。その声に、休日を一緒に過ごしたときと同じ親しみのようなものを感じて、有紗の頬が赤く染まっていく。