365日のラブストーリー
「こちらこそありがとうございました。すごく楽しくて、あのほんとうにありがとうございました」
ありがとうございます、を二回も言っている。後から気づいて、恥ずかしくなった。土曜の夜別れる頃には、それなりにきちんと話が出来るようになっていたはずなのに、たった一日挟んだだけで、その経験がリセットされてしまっているようだ。
「これを宇美さんに渡していただけますか」
有紗は差し出された封筒を受け取った。
「かしこまりました。……あの」
なにかもうひと言ふた言でいいから話をしたい。そう思って言葉をつなげてみたのだが、そのまま有紗は途方に暮れてしまった。神長は言葉を待ってくれているが、この間が居たたまれない。
「土曜日つきあっていただいて、いい気分転換になりました」
察したように、神長に話しかけてもらって、なんだか申し訳ないような気持ちになった。
ありがとうございます、を二回も言っている。後から気づいて、恥ずかしくなった。土曜の夜別れる頃には、それなりにきちんと話が出来るようになっていたはずなのに、たった一日挟んだだけで、その経験がリセットされてしまっているようだ。
「これを宇美さんに渡していただけますか」
有紗は差し出された封筒を受け取った。
「かしこまりました。……あの」
なにかもうひと言ふた言でいいから話をしたい。そう思って言葉をつなげてみたのだが、そのまま有紗は途方に暮れてしまった。神長は言葉を待ってくれているが、この間が居たたまれない。
「土曜日つきあっていただいて、いい気分転換になりました」
察したように、神長に話しかけてもらって、なんだか申し訳ないような気持ちになった。