365日のラブストーリー
彼女の子どもはまだ一歳だ。千晃は仕事をしながら子育てをしている身近な先輩のようだ。子供服のブランドの話や遊び場、子連れでも気兼ねなく行ける都内のレストランなど、色々と教えてもらったらしい。
「ほんっと、うちの旦那に見習わせたいですよ。子どもが欲しいとか言い出したのは向こうなのに、あんなに非協力的だとは思わなかったもの。この苦労がこの先何年続くのかと思うと」
「……なるほど」
「綿貫さん、結婚するなら絶対に森住さんみたいな人がいいですよ。彼はほんとうにおすすめです」
有紗はそれに笑顔で返し、書類に目を落とした。たしかに、父親としての千晃の頑張りや、子どもに対する愛情のかけ方は尊敬できる。一緒に過ごす時間が長くなるほど、その想いも強くなる。
好きだと言葉にして言ってくれることはきっと女性にとって有り難いことなのだろうし、子どもができてからこんなはずじゃなかったと、失望することがないという点では安心だ。
(だけど……)
千晃がどんなに優良物件だったとしても、神長に心が傾いてしまう。
「ほんっと、うちの旦那に見習わせたいですよ。子どもが欲しいとか言い出したのは向こうなのに、あんなに非協力的だとは思わなかったもの。この苦労がこの先何年続くのかと思うと」
「……なるほど」
「綿貫さん、結婚するなら絶対に森住さんみたいな人がいいですよ。彼はほんとうにおすすめです」
有紗はそれに笑顔で返し、書類に目を落とした。たしかに、父親としての千晃の頑張りや、子どもに対する愛情のかけ方は尊敬できる。一緒に過ごす時間が長くなるほど、その想いも強くなる。
好きだと言葉にして言ってくれることはきっと女性にとって有り難いことなのだろうし、子どもができてからこんなはずじゃなかったと、失望することがないという点では安心だ。
(だけど……)
千晃がどんなに優良物件だったとしても、神長に心が傾いてしまう。