365日のラブストーリー
3
ランチで訪れたベーカリーカフェでは、心を満たそうとするあまり、つい食べ過ぎてしまった。香ばしい焼きたてパンの香りに誘われてカウンターに近寄ったが最後、誘惑に抗えるはずもなかった。
膨れたおなかをさすりながらコンビニに寄る。お菓子コーナーの棚の向こうに、赤い髪が見えた。
(森住さんだ)
反射的に腰を屈めたにもかかわらず「有紗ちゃん?」と声がかかった。その瞬間、有紗は棚の一番下にあった、黒糖風味のおかきを手に取っていた。
「これから戻りでしょ?」
千晃は棚を回り込んで、有紗のすぐ隣まで寄ってきた。手にはバリスタブラックの缶コーヒーと大福、それからミントタブレットだ。
「それ貸して、一緒に買うから」
有紗の手からするりとおかきを抜き取って、千晃はレジに向かった。それを食べたくて手に取ったわけではなかったが、言い出せなかった。
ランチで訪れたベーカリーカフェでは、心を満たそうとするあまり、つい食べ過ぎてしまった。香ばしい焼きたてパンの香りに誘われてカウンターに近寄ったが最後、誘惑に抗えるはずもなかった。
膨れたおなかをさすりながらコンビニに寄る。お菓子コーナーの棚の向こうに、赤い髪が見えた。
(森住さんだ)
反射的に腰を屈めたにもかかわらず「有紗ちゃん?」と声がかかった。その瞬間、有紗は棚の一番下にあった、黒糖風味のおかきを手に取っていた。
「これから戻りでしょ?」
千晃は棚を回り込んで、有紗のすぐ隣まで寄ってきた。手にはバリスタブラックの缶コーヒーと大福、それからミントタブレットだ。
「それ貸して、一緒に買うから」
有紗の手からするりとおかきを抜き取って、千晃はレジに向かった。それを食べたくて手に取ったわけではなかったが、言い出せなかった。