365日のラブストーリー
「神長さんと話をしているとわくわくするんです。わたしとは何もかも考え方が違って。でもそれがすごく素敵で。自分の中にあるものが新しく塗り替えられていくみたいなかんじがして」

「前から思っていたんですけれど、よく面と向かってそういうことが言えますね」
「えっ、だめですか」

「いつもどう反応をしたらいいのか悩みます」
「すみません」

「いや、それは謝るところじゃないですけど」
 普段は自分の意見を淡々と語る神長が、戸惑いを感じて目を伏せる仕草に見入ってしまう。

(きっと神長さんは、特別なことを話してるつもりなんて、全然ないんだろうなあ)
 いつもならば別次元の人、という憧れで終わってしまうのに、そうならないのはなぜだろう。

「夜景も良いですけれど、日が落ちて風が冷たくなってきましたね。移動しましょうか」
「ええと……」

 どこかの店に入ってしまったら、続きは話しづらい。触れあっていた手をぎゅっと握る。
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