ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
完全に混乱しているあたしの肩に手を置き、海莉はあたしの顔を覗き込んだ。


「ねえ瑞樹。理由はともかく、あたしが先輩に告白するとしたら、それがうまくいくように願ってくれる気はある?」


「そ、それはもちろん応援するよ」


なにがなんだかぜんぜんわかんないけど、あたしはうなずいた。


そんなの決まってる。だって海莉は本当に関先輩のことが好きなんだから。


大事な親友の、ここ一番の大勝負だ。


神様にでも仏様にでも天にでも大地にでも、考えつく限りのすべてに、全力で願いを捧げちゃうよ。


「本当にそう? だって瑞樹の考えなら、たとえ告白がうまくいってもあたしと関先輩は、いずれ別れちゃうんでしょ?」


「……!」


「それ、なんか矛盾してない?」


「あ……」


言われて、まったくその通りだと思った。


よく考えてみれば、あたしはずっとそういう意味のことを言い続けていたんだ。


関先輩を真剣に想い、恋が叶うことを心から願い続けている海莉に向かって、『恋なんていつか必ず終わる』って、何度も何度も。


う、わ。あたし、我ながら最低……。
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