わたし、BL声優になりました
 雰囲気、変わるもんだな。

 変わってないのは俺だけ、か。

 情けなくて、渇いた笑みすら作れなかった。

 赤坂が用意した珈琲に口をつけ、平常心を保とうとする。

 これから、俺は何を言われるのだろうか。

 そんな覚悟もないままに、ここに来たことを少し後悔していた。

「それじゃあ、本題に入ろうか。実はね、来月からここに、新しい声優事務所が入ることになってね。シルバーフェザーは実質の終わりを迎えることになった」

「…………」

 意外と早かったな。と、田中社長の話を聞いて、どこか他人事のように思う。

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