クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
「嘘のスケジュール書き込みは罰金として三万のペナルティ」
「三万?無理無理!」
冗談じゃない。
ふたりにとっては安いけど、私にとってはありえない金額だ。
「安いだろ。嘘書かなきゃいいだけで簡単じゃん」
ニヤッと笑う姿も悔しいぐらいイケメンな内科医だった。
「では、そーゆーことで今日は解散!」
「これから長田君と細かい打ち合わせをします。玲菜さんとはまた明日会いたいけど、明日の予定は?」
「友達とケーキバイキングに……」
「では、あさっての月曜日から堂々と勝負スタートです。また連絡しますね」
そして二人はソファから立ち上がり、振り返らずに玄関へと向かった。
置いてきぼり感だらけの私でどうしよう。まずはお金とプレゼントを返却だ。
「長田さん、昨日預かったお金です。昨日は大下さんがごちそうしてくれました」
無理やり用意したお金を長田さんに返すと、「それはごちそう様でした」って棒読みで応えてくれた。心ないわー。
「それから……あの……」
長田さんを前にして返しずらいな。先に車に乗って欲しいけど絶対動かないって顔してるし。
もじもじしてたら
「俺に気をつかうな。協定内容を決める前の話だろ、早く済ませろ」って言われたので、申し訳ないけど昨日のプレゼントを大下さんに頭を下げて差し出す私。