クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
そして男達は小声で何か話をしている。
急になんだろう。不安が走る。
「玲菜、スマホ貸して」
長田さんに言われて嫌な顔をしたら、大下さんが「悪用しません。僕が見てます」って言うのでしぶしぶ大下さんに渡す。
「俺に素直に渡せよ」
「長田さんが言うな」
「いつの間に親密に」
三者三様のタメ息をする。
長田さんも大下さんもスマホを出し始め、私はその様子をチェックしようとしてると「邪魔」って長田さんに怒られてしまった。
邪魔って言ったな。
自分の家で他人に邪魔扱いされるってどうなの?ムッとしながら昨日大下さんにもらったブランド物のお土産を思い出して、自分の部屋に戻ってそれを手にする。
こっそり返そう。やっぱり高価すぎる。
あっと忘れた、長田さんの三万円も返さなきゃ。
財布と高価な箱を持ち、居間に戻ると大下さんがスマホを返してくれた。長い指が綺麗。
「LINEグループ作りました」
「え?」
え?……しか出ない。
「僕と長田さんと玲菜さん。グループ名は『らぶれな』」
らぶれな……恥ずかしいより
ダサっ!
「スケジュールアプリも入れました。長田さんと僕は協定を結びました。これから公平に僕達は玲菜さんと会います。月に一度は必ず三人で会いましょう。自分の予定をアプリに入れて下さい」
淡々と語るけどグイグイ自分の意見を推して曲げず、会議のように語る大下さん。トップっていつもこんな感じなのだろうか。