羊かぶり☆ベイベー



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お昼休み。

私は会社の食堂にて、A定食を前に興奮気味でいた。

だって、このトロットロ卵の親子丼を見たら、誰だって!

興奮しているうえに、空腹の私は待ちきれず、前のめりに手を合わせて、いただくことにする。



「いっただきま──」

「みさお! お疲れ~」

「あっ、お疲れ様」



私の前に現れたのは、同期だけど違う課の汐里(しおり)ときつねうどん。

彼女とは、数年も前の入社間もない、研修期間中に意気投合した。

お互い、課が違う今でも、プライベートで遊びに行く仲だ。

私の前に座り、必然的に一緒にお昼を食べる流れになる。



「今日はタイミング合ったねぇ。かなり久しぶりじゃない?」

「うんうん、ここ1・2週間は会わなかったもんね。やっぱり商品開発部、今忙しいの?」

「めちゃくちゃ、てんやわんやしてるよー。私もプレゼン会、1週間後に控えてるし」

「え。それ大丈夫なの?」

「大丈夫なわけないよ。実はまだコンセプトも、何にも決まってない。また今日も残業コース決定だよ」



そう言って、汐里は頭を抱える。

久しぶりに会えたから、今夜、ご飯行けたら嬉しいな、なんて考えていたけど難しそうだ。

これはこれで、仕方ない。



「そっか。あんまり根を詰めすぎないようにね」



汐里は、ありがとうと言って、きつねうどんを啜った。

私もつられるように、親子丼を頬張る。

すると、汐里とバッチリ目が合った。
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