自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-
自力でゆっくりと上半身を起こしたセシリアは、真っ赤な顔をしている。
(もしかして私の体重に耐えかねて、椅子が壊れたのかしら? 太っていないつもりでいたけど、そういえば、昨年作ったこのドレスの胸元が窮屈だわ。甘いお菓子は我慢した方がいいわね。ああ、恥ずかしい……)
恥じ入るセシリアに「大丈夫?」と声をかけ、腕を引っ張って立たせてくれたのは、イザベルであった。
ありがとうと言いかけて、セシリアは顔をしかめた。
それは、右足首に痛みを感じたからである。
どうやら転んだ拍子に、挫いてしまったようだ。
痛そうなセシリアに気づいていないのか、イザベルがニコリと口角を上げて言った。
「心配しないで。遅刻をしても、音を間違えても、椅子を壊しても、誰も怒っていないわ。みんな、セシリアが大好きなのよ。あなたはそれに感謝して、落ち込んだりせずに、明るい顔をしていてちょうだいね。皆さんを心配させてはいけないわ」
「え、ええ……そうよね」
純真なセシリアは、親友の注意に素直に頷き、痛みを隠して笑顔を作る。
(もしかして私の体重に耐えかねて、椅子が壊れたのかしら? 太っていないつもりでいたけど、そういえば、昨年作ったこのドレスの胸元が窮屈だわ。甘いお菓子は我慢した方がいいわね。ああ、恥ずかしい……)
恥じ入るセシリアに「大丈夫?」と声をかけ、腕を引っ張って立たせてくれたのは、イザベルであった。
ありがとうと言いかけて、セシリアは顔をしかめた。
それは、右足首に痛みを感じたからである。
どうやら転んだ拍子に、挫いてしまったようだ。
痛そうなセシリアに気づいていないのか、イザベルがニコリと口角を上げて言った。
「心配しないで。遅刻をしても、音を間違えても、椅子を壊しても、誰も怒っていないわ。みんな、セシリアが大好きなのよ。あなたはそれに感謝して、落ち込んだりせずに、明るい顔をしていてちょうだいね。皆さんを心配させてはいけないわ」
「え、ええ……そうよね」
純真なセシリアは、親友の注意に素直に頷き、痛みを隠して笑顔を作る。