自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-
しかし、か細い声で「ありがとう」とお礼を言ったセシリアだが、そうするとは言わない。
「ごめんね。なにもする気が起きないの……」
そう答えた後は、毛布を引き上げて、頭まですっぽりと被ってしまった。
(このまま眠ってしまいたい。そして、永遠に目覚めなければいいのに……)
カメリーのため息が聞こえた直後に、ドアが勢いよく開けられて、ツルリーが飛び込んできた。
「セシリア様ー!」と明るい声を上げるツルリーは、ベッドに駆け寄ると、毛布にくるまっている王女の体を揺する。
「起きてください。クロード騎士団長が今、街での任務を終えて戻られたんですよ。たぶん、これから訓練場か馬場で、部下に稽古をつけるんだと思います。見に行きましょー!」
セシリアが塞いでいても、ツルリーはいつもと変わらず……いや、いつも以上に元気である。
はしゃいだ声でセシリアを誘うツルリーを止めたのは、カメリーだ。
「やめて!セシリア様のつらいお気持ちがわからないの? 侍女失格よ」との厳しい言葉には、怒りと苛つきが感じ取れた。
それに反省することなく、ツルリーはムッとした様子で、すかさず言い返す。
「ごめんね。なにもする気が起きないの……」
そう答えた後は、毛布を引き上げて、頭まですっぽりと被ってしまった。
(このまま眠ってしまいたい。そして、永遠に目覚めなければいいのに……)
カメリーのため息が聞こえた直後に、ドアが勢いよく開けられて、ツルリーが飛び込んできた。
「セシリア様ー!」と明るい声を上げるツルリーは、ベッドに駆け寄ると、毛布にくるまっている王女の体を揺する。
「起きてください。クロード騎士団長が今、街での任務を終えて戻られたんですよ。たぶん、これから訓練場か馬場で、部下に稽古をつけるんだと思います。見に行きましょー!」
セシリアが塞いでいても、ツルリーはいつもと変わらず……いや、いつも以上に元気である。
はしゃいだ声でセシリアを誘うツルリーを止めたのは、カメリーだ。
「やめて!セシリア様のつらいお気持ちがわからないの? 侍女失格よ」との厳しい言葉には、怒りと苛つきが感じ取れた。
それに反省することなく、ツルリーはムッとした様子で、すかさず言い返す。