自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-
「セシリア様が落ち込んでいるから、私が明るくしなきゃと思ってるのよ! 一緒になってしんみりしていたら、ミノムシが一匹増えるだけじゃない」
「ミノムシ? なにを言っているのか、わからないわ。馬鹿なの?」
「馬鹿はどっちよ! 毛布を被ったセシリア様のことに決まってるじゃない。お金の計算しかできない、石頭のカメリー!」
「怒ったわ。久しぶりに本気の喧嘩をしましょう。早口言葉、三本勝負。敗者は一週間、勝者の下僕になるのよ」
睨み合う双子の侍女が、早口言葉勝負を始めようとしたら……ミノムシがむくりと起き上がり、顔を覗かせた。
気落ちしている中でも、喧嘩を止めようとしたのかと思いきや、セシリアは「見たい……」と真顔で呟く。
目を瞬かせた双子が同時に、「なにをですか?」と問いかければ、王女の頬は薄っすらと赤く色づいた。
「クロードさんの訓練風景よ……」
どんなに落ち込んでいても、恋する彼の勇姿を覗きたいという欲求には逆らえないようである。
嬉しそうに目を輝かせた侍女ふたりは、顔を見合わせてハイタッチすると、すぐさま行動に移す。
「ミノムシ? なにを言っているのか、わからないわ。馬鹿なの?」
「馬鹿はどっちよ! 毛布を被ったセシリア様のことに決まってるじゃない。お金の計算しかできない、石頭のカメリー!」
「怒ったわ。久しぶりに本気の喧嘩をしましょう。早口言葉、三本勝負。敗者は一週間、勝者の下僕になるのよ」
睨み合う双子の侍女が、早口言葉勝負を始めようとしたら……ミノムシがむくりと起き上がり、顔を覗かせた。
気落ちしている中でも、喧嘩を止めようとしたのかと思いきや、セシリアは「見たい……」と真顔で呟く。
目を瞬かせた双子が同時に、「なにをですか?」と問いかければ、王女の頬は薄っすらと赤く色づいた。
「クロードさんの訓練風景よ……」
どんなに落ち込んでいても、恋する彼の勇姿を覗きたいという欲求には逆らえないようである。
嬉しそうに目を輝かせた侍女ふたりは、顔を見合わせてハイタッチすると、すぐさま行動に移す。