初めまして、大好きな人
雄介と一緒に食堂に行くとみんなが座って待っていた。
私は雄介の隣に座って、
食卓に並ぶご飯を見つめた。
今日はクリームシチューだった。
昨日は確かハンバーグだったんだよね。
一体誰が作っているんだろう。
まさか施設長が作ったんじゃないだろうか。
ご飯を食べていると、雄介が
私の服の裾をツンツンと引っ張った。
見てみると、口元にシチューをつけて笑う雄介の姿があった。
なんだかその光景が微笑ましくて、
私はそっと手を伸ばして雄介の口元を拭った。
すると雄介の小さな手も私の口元に伸びてくる。
どうやら私もシチューを口につけていたらしくて
雄介は「同じだね」と無邪気に笑った。
恥ずかしいような、嬉しいような感覚に陥った。
ご飯を食べ終えて少し雄介と話をした。
雄介は小学三年生で、
五歳の頃に親に捨てられたらしい。
捨てられた時、唯一握りしめていたのが
父親の写真だけだったという。
雄介は今でもその写真を大事に持っていて、
いつか大人になったらお父さんを探したいんだって言った。
眼帯のことも話してくれた。
捨てられた時、事故なのか事件なのかは謎なんだけれど、
施設長が引き取った時には目を怪我していたらしい。
それからずっと、雄介は眼帯のままだという。
雄介は私に、眼帯をとって見せてくれた。
雄介の左目には縦にざっくりと深く切り傷がついていた。
絶対に何か事件性を感じるような傷だった。
かわいそうに。
そんな経験を経てここにいて、
それでもなお笑っている雄介は強いなと思った。
私なんか親を失って記憶まで失うという現実に
打ちひしがれて弱気になっているというのに。
雄介の明日にも明後日にも、
変わらず両親は存在しない。
それは私も他の子も同じなのに、
どういうわけかこの子は強いと思った。
同じ環境下にいながら弱音を吐いた自分が恥ずかしい。