初めまして、大好きな人



「おい、どうした?」


声が聞こえて、ぱっと顔を上げた。


そこにいたのは、知らない男の人。


程よくイケメンで、これは夢なのかと疑う。


茶色い短髪をツンツンに整えていて、
見るからに粋がっている高校生って感じ。


すると、ふと視線が着ている服に向いた。


その人が着ている服を見てピンとくる。
この人って、もしかして。


「おい、波留?」


「あ、あの、あなたはもしかして……」


榎本、尚央。二十三歳の大学生。


ノートを見たばかりだから分かる。
この人の存在を。


格好良くて、私に話しかけてきて、
高校生みたいな見た目の人。


そしてなにより、服が異常にダサい人。


この日、この人は猫の柄のTシャツを着ていた。


それがなんともいえないくらいダサかった。


一目で分かる。この人は榎本尚央だ。


「初めまして、波留。俺は榎本尚央。
 二十三歳のイケメン大学生。分かる?」


そう言われて、私はゆっくりと頷いた。


すると尚央は嬉しそうにニコニコ笑って、
私の頭を撫でた。


くしゃくしゃと撫でられて、私の頭はボサボサ。


手で直していると、尚央は私の顔を覗き込んできた。


「泣いてんのか?どうした?」


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