初めまして、大好きな人



「お待たせしましたー」


ことりと小さな音を立てて、飲み物が運ばれてきた。


こちらも可愛らしいグラスの飲み物だった。


店員さんを見上げると、にこりと微笑まれる。


伝票を置いて、店員さんは奥へと消えた。


目の前にある飲み物を見つめる。


そして両手で持ち上げて、一口飲んでみた。


あっ、これは……ノートに目を落とす。


そうか、ショコラミントだ。


やっぱり書いてある通り。


私は少なくとも五日はずっと、ここでこれを飲んでいたんだ。


ポタっとショコラミントの中に涙が一滴落ちる。


気付くと私は涙を流して泣いていた。


これが何の涙なのかは分からない。


ただ切なくて、やり場のない怒りが込み上げて、
そして感動していた。


確かに、私の生きていた証が確かにここにある。


でも、なんで覚えていないの?
どうして思い出せないの?


簡単なことじゃない。
それなのに……。



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