初めまして、大好きな人
俯いていると、尚央はうーんと唸った。
嘘でも何か言った方がよかったかな?
でも、尚央って大学生でしょ?
そんなにお金があるとは思えないし、
何か言って迷惑をかけたらまずいよね。
そう思っていると、パンっと手を叩く音がして、
私は顔を上げた。
「よし。決めた。シンデレラごっこしよう」
「し、シンデレラって」
「行くぞー」
楽しそうに、はしゃぐようにして歩き出した尚央に手を引かれて、
私も歩き出した。
しばらく歩くと、駐車場が見えてきた。
黒い軽自動車の前で尚央は止まる。
助手席のドアを開けて、「乗って」と促した。
言われた通りに車に乗ると、
煙草の匂いが充満していた。
この人、煙草を吸うの?
尚央も運転席に乗ってエンジンをかける。
すると洋楽が流れてきた。
心地のいい音楽だった。
流れてきてすぐに心を奪われた。
こんな素敵な音楽があるんだと感心していると
尚央はその歌を歌い始めた。