初めまして、大好きな人
「さ、行こうか。お姫様」
「お姫様って呼び方やめて」
「シンデレラごっこって言ったじゃん」
「なにそれ」
「ただのお遊び。さ、どうぞ」
手を差し出されて、私はその手を取った。
尚央は優しくエスコートしてくれて、
繋がれた手が何故だか温かく感じた。
次に向かったのは化粧品のコーナー。
一際煌びやかなそのコーナーをぐるりと見渡していると、
店員さんが寄ってきた。
尚央が店員さんを呼んだみたい。
「この子に合うメイクをお願い。
ほんのちょっと手を加えるだけでいいよ。
まだ高校生なんだ」
「素敵な彼氏さんですね」
店員さんが私にそう言った。
尚央が彼氏?ないない。
「か、彼氏なんてそんな……」
慌てて首を横に振るも店員さんは見ていなくて、
すぐに私の顔にメイクをし始めた。
なんだかくすぐったい。
はじめてのことに緊張して、
私はなぜか息を止めていた。
苦しくなってすぐに深呼吸し始めたけど。