初めまして、大好きな人



メイクはすぐに出来上がって、
店員さんは鏡を前に持ってきた。


鏡を覗き込んでびっくり。


いつもより可愛く見えるのは気のせい?


にこやかに微笑む店員さんを見ると、
ゆっくりと頷かれた。


尚央を見ると、尚央は親指を立ててみせて、
それから私の頭を撫でた。


「メイクは肌に悪いから今日だけな。
 どう?変身した気分は」


「これが、私?」


「そうだよ。正真正銘、波留自身だ」


尚央は私を中央にある全身鏡の前に連れてくると、そう言った。


鏡に映る自分をまじまじと見つめる。


本当に、私?
嘘みたい。
まるで本物のお姫様みたいじゃない。


本当にシンデレラにでもなった気分。


くるりと回ってみせて、私は尚央を見上げた。


「ありがとう。その、服まで買ってもらっちゃって。
 でも、大丈夫なの?その……お金とか」


「金の心配を子どもがするもんじゃないよ。
 大丈夫だから、気にすんな」


「でも……」


「腹減ったな。なんか食うか」


尚央はケータイで何かを調べ始めた。


それを眺めていると、尚央が私を見てにこりと笑った。


< 47 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop