初めまして、大好きな人
「何が食いたい?」
「えっ?な、なんでもいい」
「ほんとかぁ?文句言うなよ?」
「言わないよ!」
「うーん。そうじゃないんだよなぁ。
よし、中華とイタリアンとフレンチと和食。
どれがいい?」
「い、イタリアン」
おずおずと答えると、
尚央はケータイに目を落としてしばらく黙った。
「おっ、ちょうどこの中にあるみたいだ。行くぞ」
私の手を取り、ずんずんと歩いていく。
人ごみをかき分けて行くと、
レストラン街の端っこにあるお店の前で立ち止まった。
店の前では可愛い制服に身を包んだ店員さんが
にこやかに笑っていて、どうぞと案内してくれる。
尚央はそれについて行った。
四人掛けのテーブル席に通されると、
お水を持った別の店員さんがやってきた。
ご注文がお決まりになりましたら、と
マニュアル通りの言葉を言っていなくなると、
尚央はメニューを開いた。
「何食う?」
「えっと……」
ずらっと並んだメニューを見て、
早く決めなきゃと焦る。
それでもうーんと考えて、しばらく経った。
悩んだ挙句、無難なミートソーススパゲティを頼むことにした。