恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
「いえ。大丈夫だったんですか? 社長さんですよね? なにやら大変な騒動だったようですが」
「あ、はい……。本当に申し訳ありません」
あの場面を見た遠藤がどう思ったのかはわからないが、とにかく謝る以外にない。
「遠藤さんはね、そのパーティーで梓を見初めてくださったのよ」
我慢しきれなくなったのか、陽子がそこで口を挟んできた。
とんでもないことを言われ、梓の目が点になる。
(私を……?)
誰かにそうして好意を示されたのは初めて。それも、地味な自分にひと目惚れだとは。
梓は信じられない思いで遠藤を見た。
「そうなんですよ。そうしたら、父とよく行く『忍び草』のおかみさんがあなたのお母様だと知りましてね。それでこうして梓さんとお会いできるように取り計らっていただいたんです」
遠藤は陽子の店の常連客でもあったみたいだ。