恋の餌食 俺様社長に捕獲されました
「これでも飲んで少しアルコールを中和させた方がいい」
「おそ、ありがとうございます」
〝恐れ入ります〟と言いそうになり、慌てて言い換える。ペナルティだとまたキスをされたらかなわない。
ところが受け取ったペットボトルのふたが、なかなか開かない。手に力が入らないのだ。
「なんだ、開かないのか? ほら、貸せ」
一樹がすかさず梓からペットボトルを奪い、キュッとひと捻り。すぐに梓の手もとに返された。
「重ね重ね、ありがとうございます」
座ったまま頭を深く下げる。
「こんなのも開けられないほど非力なのか、梓は」
「違うんです。いつもは重い荷物もへっちゃらなんです。りんごだって」
「潰せるって?」
一樹がぷはっと噴き出す。