代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉



「あら、紗和ったら女磨いてきたじゃな〜い?」



「惚れ直した?じゃあ結婚する?」



こんな冗談も本当に懐かしい。
変わらないメンバーに心から癒やされていく。
今回戻ったのも束の間。
すぐにUターンするつもりだった。
皆には会いたいけど、やっぱりまだ落ち着かない。



二年という月日が解決してくれた訳でもなく、未だ引きずっている事……何も満たされていない事……ポッカリ空いた心の穴を塞ぐ手立てが見つかっていない事がバレてしまうんじゃないかとソワソワしていた。



「紗和、向こうで恋人は?」



案の定姉が聞いてくる。
気心知れた仲間内での飲みの席。



「居る訳ないでしょ、居たら連れて帰ってるわハハハ」



「仕方ないわね、ワタシがまた面倒見てあげなくちゃ」



「ん〜レオ〜愛してるよ〜」



おちゃらける私を優しく見守ってくれてんのもわかってる。
風の噂ではあの後誰一人として秘書を雇わなかったとか。
強情で意地っ張り……副社長らしい。



気を遣ってくれてその話には触れてこないし副社長というワードを意識し過ぎてるのが丸わかり。
有り難いけど、笑っちゃうから。
演技ヘタ過ぎだから。
逆に思い出すっちゅーの。



海外展開での細々とした報告と今後の課題、提案等の密な打ち合わせを経て私はまたロサンゼルスへ戻る。



「戻って来たいなら戻って来て良いんだよ?」と姉は言ってくれる。
うん、でもまだ向こうで頑張ってみたいんだ。
今はとてもやり甲斐を感じてる。
軌道に乗り出してるから楽しいよ。






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