代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
落ち着いたベージュカラーで細身のウエストリボン。
ノースリーブの膝丈で光沢のある高級感溢れるスレンダーラインのドレスワンピースとなっている。
「地味過ぎないか?」
「地味で良いんです!秘書が目立ってどうするんですか」
渋々理解してくれていざ試着すると……
「良い!よし、それでいこう!髪、巻けよ?」
「は、はい…」
髪型まで指定なんだ……
それに見合うバックとハイヒール、ネックレスまで用意されていて全て購入されていた。
「え、副社長これ全部買ったんですか!?」
複数の紙袋を下げて車に運んでいる。
「大丈夫、気にするな。当日これ着て俺の隣に居ろよな?離れんじゃねぇぞ?その……アイツも来るから」
「本当にありがとうございます!で、アイツって誰ですか?」
「言いたくねぇけど……圭介だよ」
「あ、堀越社長?」
「一応式典だからな、関係者は必ず出席する」
何となくだけど、無事に終わらなさそうな予感。
あれから一度も接触はないけど会うとややこしいかも。
ハンドルを切りながら「わかったな?俺のそばに居ろよ?」と何度も念を押された。
この件に関して副社長はかなり心配性になる。
スピーチの挨拶文をいくつか用意し確認してもらう。
直された部分を訂正し仕上げにかかっていたら同じ秘書課の先輩方が集まって来た。
「深山さん、もうドレス決めた?」
「えっと…まだよくシステムわかってないんですけど秘書もドレスコードするんですね?」