代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
「そうよ?関係者以外も出席するから顔を売る大チャンスで、秘書だって気合い入れるんだから」
「そ、そうなんですね」
顔を売るチャンスって…?
堂々と転職でも考えてるのか?
それともHIDAKAグループである事を認識させる為?
はたまた男狙い??
「私達もそれぞれカラー決めてて」
ちょっと…!
それ早く言ってよ!!
かぶってたらどうしよう…!
「ピンク、緑、黃、水色なんだ。深山さんはもう決めた?」
ホッと胸を撫で下ろす。
ベージュにして正解っ!!
「じゃあそれ以外でなるべく目立たない色にしますね」
恐るべし女の職場。
目には見えないルールとやらが存在するのね。
予め言っておいてかぶるなよ宣言。
「ねぇねぇ、副社長ってさ、普段どんな感じなの?」
「どんな感じ…とは?あのまんまですけど…?」
「え、じゃあツンデレな感じ?」
顔を見合わせて頬を赤らめている先輩方。
ツンデレ?久しぶりに聞いた。
副社長はツンデレに入るのか?
「深山さん来てから劇的に変わったもん。私達今までデレってしたとこ見た事なくて笑ってるの見た時は衝撃的だった」
「そ、そうですか…私には鬼にしか感じませんが…」
「深山さん仕事出来るから安心して任せてるのよきっと」
「私達、密かに2人がデキてたら嬉しいな〜って思ってる」
一応そこは声のトーンを下げて言う。
ヤバイ、ヤバイぞ。
変に誤解されてる…!
恐れていた事態になった…!
手を止めてはっきり言わないと。