チョコレートは恋に等しい
「いつまで放心してんの。なんか反応しろよ、俺が恥ずかしいやつじゃん」
ハハハ、と笑って私の頭をグシャグシャっと撫でる谷。
確信できない。
冗談だったようにも見えるし、本気だったからこその照れ隠しのようにも見える。
私が谷を意識しているから、好きだからこそどっちなのかわからなくなる。安易に喜んで変な空気にしたくない。
「ま、また思わせぶりな態度とって〜。そんなんじゃ女の子に誤解されちゃうよ」
うわ、不自然に詰まった。
動揺してるってバレた?
けど、私にとっては精一杯の返しだ。
すぐに反応がない。
谷の顔を横目に見る。