クールな西園寺くんと、婚約したら。
「どう?犠牲になってくれる気になった?」


「やっぱり、犠牲にする気じゃん!」


「でも、すげぇ良い話だと思わねぇ?これを逃したら、お父さんもお母さんも死ぬまで働き詰めだぞ」


「し、死ぬまでって……」



そんなオーバーな。


そうは思いながらも、私の気持ちはグラグラと揺れる。



だけど、相手が誰なのか分からないまま婚約披露パーティ当日を迎えるなんて


怖すぎる……。


ハゲてて、デブで、すごいブスだったらどうすればいいわけ?


…….って、同い年ならハゲてはないかな。
いや、若ハゲだって中にはいるし!分かんないよね、そんなの。



「きっと、お父さんたちもこの婚約が上手く行けばいいと思ってる!……あの性格だから、姉ちゃんのために言わないんだろうけど」


「……わ、分かんないよ?御曹司の方から願い下げだって言われるかもしれないし!」


「どんだけ嫌だって言ったって、婚約披露パーティまで開いたらそう簡単に婚約破棄なんて出来ねぇよ!西園寺グループには世間の目があるからな」


「……ダメだ、上手くいく気がこれっぽっちもしない」



「大丈夫だって、どっちかって言えば西園寺家から婚約の話を掘り返してきたわけだし!きっと上手くいくって!」


「そ、そうかな?」


だけど、拓斗の言う通り、この婚約にしがみつくのもアリかもしれないなんて思い始めてる自分がいる。



御曹司と婚約して、お父さんとお母さんに今までの恩返しが出来るなら


私の人生を、ぜーんぶかけてでも、



「そこまで言うなら私、頑張ってみる……!」


「おっしゃ、そうこなくっちゃ!」



───この機会、無駄にはしたくないかも。
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