堅物社長にグイグイ迫られてます
御子柴さんの彼女役として出席することになっている御子柴商事の創立記念パーティーはいよいよ三日後の今土曜日に迫っている。

御子紫さんに鈍感だと言われてしまったさすがの私もだんだんと緊張してきてしまった。

「そんなに構えなくても大丈夫だ。お前はただ俺の彼女として隣にいるだけでいいから」

「そうは言っても……」

不安なものは不安だ。

本当に私なんかが御子柴さんの彼女役でいいのかな。私と御子柴さんとではやっぱり釣り合わない気がする。

そうかといって今さらやっぱりできませんとは言えない。それに当日の衣装や小物類まで御子柴さんに買ってもらったし。

もし私たちが偽の恋人だと気付かれてしまったら、御子柴さんのお父さんはきっと腹を立てるに違いない。

「そんなに不安ならやめとくか?」

ふと御子柴さんの声が聞こえて顔を上げる。

「無理してまでやってほしいとは思ってない」

「でもそれじゃあ彼女役はどうすんですか?」

お父さんに本当のことを打ち明けるつもりなのかな。

「まぁ、お前がダメなら他をあたるから気にするな」

「他ですか?」

どうやら私以外の人に彼女役を頼むらしいけれど。

「間に合うんですか?」

「間に合わせるさ」

創立記念パーティーまであと三日しかないのに、今になって彼女役を受けてくれる人なんて他にいるのかな。
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