堅物社長にグイグイ迫られてます


そのあとは事務所へ戻り仕事の続きをしてから私は今日も定時で仕事を終えた。御子柴さんはまだ今日中に終えてしまいたい仕事があるらしくいつも通り残業をしてから二十時過ぎには家に帰ってきた。

「御子柴さんのお父さんってやっぱり怖い人なんですか?」

二人で夕食をとりながら、私は目の前に座る御子柴さんにふと尋ねてみた。

ちなみに今日の夕食も私が作った。形や大きさがバラバラのハンバーグだ。ソースも作ってみたけれどなんだか酸っぱい気がする。どうしてだろう?レシピ通りに作ったはずなのにまた完璧にできなかった。それなのに御子柴さんはなにも言わずに黙々と食べてくれている。

「親父か?……そうだな。怖いというか厳しい人だな」

箸でハンバーグをつまみながら御子柴さんが私の質問に答えてくれる。それを聞いた私は思わずため息をこぼしてしまった。

大企業の社長という肩書きだけでも自分とは住む世界が違い過ぎて近寄りがたいのに、さらに厳しい人だと聞くとますます御子柴さんのお父さんと対峙するのがこわくなってくる。

「もしかして創立記念パーティーが心配か?」

するとそんな私を察してくれたのか御子柴さんがそっと声を掛けてくれたので、私は正直に「はい」と小さく頷いた。
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