堅物社長にグイグイ迫られてます
今まで私はどちらかというと御子柴さんみたいなタイプの人は苦手だった。厳しくて怒るとこわくて、常に仏頂面で愛想がなくて。でも最近そんな彼のイメージが私の中で変わりつつある。
どうやら私は御子柴さんのことをまだしっかりと知らなかったらしい。今回の同居をきっかけに彼といる時間が長くなって今まで知らなかった御子柴さんの一面を知ることができた。
厳しくてこわくて仏頂面で愛想がないのは相変わらずだけれど、でも優しいところもちゃんとあってこんな私をさり気なくいつも助けてくれる。
少なくとも私は今、御子柴さんのことを苦手だとは思っていない。たぶん好きだと思う。でもその"好き"が恋愛的な意味なのかどうかはまだはっきりと分からなくて……。
それに私なんかが御子柴さんと釣り合うはずがない。御子紫さんがいったい私のどこを好きになってくれたのかは分からないけれど、御子柴さんには私なんかよりももっと相応しい女性がいるはずなのに。
そのときふとある人のことが思い浮かんだ。御子柴さんの婚約者だと名乗る女性――たしか園田麗子さんだっけ。
そういえば御子柴さんに園田さんとの縁談を受けるよう私からも伝えてほしいと言われていた。もし御子柴さんがそれを断ったら御子柴設計事務所がなくなるかもしれない、というようなことも言っていた気がする―――――
「――雛子ちゃん?」
思わず考え込んでしまっていると、佐原さんに名前を呼ばれてハッと我に返る。
「どうしたの?なんかすごくこわい顔してたけど」
「えっ、あ、そうですか?」
無意識に顔まで強張ってしまっていたらしい。あはは、と笑って誤魔化してみるけれど。
「眉間に皺を寄せて考え込むほど、悟の告白の返事に迷ってるの?」
佐原さんにそう聞かれた私は両手を思い切り横に振った。
どうやら私は御子柴さんのことをまだしっかりと知らなかったらしい。今回の同居をきっかけに彼といる時間が長くなって今まで知らなかった御子柴さんの一面を知ることができた。
厳しくてこわくて仏頂面で愛想がないのは相変わらずだけれど、でも優しいところもちゃんとあってこんな私をさり気なくいつも助けてくれる。
少なくとも私は今、御子柴さんのことを苦手だとは思っていない。たぶん好きだと思う。でもその"好き"が恋愛的な意味なのかどうかはまだはっきりと分からなくて……。
それに私なんかが御子柴さんと釣り合うはずがない。御子紫さんがいったい私のどこを好きになってくれたのかは分からないけれど、御子柴さんには私なんかよりももっと相応しい女性がいるはずなのに。
そのときふとある人のことが思い浮かんだ。御子柴さんの婚約者だと名乗る女性――たしか園田麗子さんだっけ。
そういえば御子柴さんに園田さんとの縁談を受けるよう私からも伝えてほしいと言われていた。もし御子柴さんがそれを断ったら御子柴設計事務所がなくなるかもしれない、というようなことも言っていた気がする―――――
「――雛子ちゃん?」
思わず考え込んでしまっていると、佐原さんに名前を呼ばれてハッと我に返る。
「どうしたの?なんかすごくこわい顔してたけど」
「えっ、あ、そうですか?」
無意識に顔まで強張ってしまっていたらしい。あはは、と笑って誤魔化してみるけれど。
「眉間に皺を寄せて考え込むほど、悟の告白の返事に迷ってるの?」
佐原さんにそう聞かれた私は両手を思い切り横に振った。