堅物社長にグイグイ迫られてます
それなのに私は本当にひどいことを御子柴さんにしてしまった。私のことを好きだと言ってくれた御子柴さんに別の女性との結婚を薦めてしまうなんて。

「前にも聞いたと思うけど雛子ちゃんは悟のことどう想ってるの?悟は雛子ちゃんのこと本気で好きなんだと思うよ。俺は悟のことを大学の頃から知ってるけど、雛子ちゃん以上に悟が素の自分を出せてる女性って見たことないから」

御子紫さんのことをどう想っているのか。

以前、佐原さんに同じことを聞かれたときはすぐには答えることができなかった。でも今は答えられる気がする。


私はきっと御子柴さんのことが好きだ。


それと同時に思い出したのは昨日の御子柴さんからのキスのこと。そして御子柴さんにそんな行為をさせてしまった私のひどい言葉。

やっと自分の気持ちに気が付いたのに……。

「もう遅いんです」

呟いた私の声は震えていた。ぼんやりと視界が霞んで見えなくなる。気が付くと私は泣いていた。

「私……御子柴さんに……ひどいことを言って怒らせて傷付けたから……。御子柴さんはもう、私のことなんて……好きじゃないと、思います」
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