堅物社長にグイグイ迫られてます


アパートを飛び出してきたけれど行き先も特に見付からず、ふらふらと街の中をさまよっていた。

しばらく歩いたところで、カバンをアパートに置いてきてしまったことに気付いたけれど、まさか戻るわけにも行かず私はすっかり途方に暮れている。

俊君の浮気に動揺していたとはいえ、どうして私はこんなときにまでドジをしてしまうんだろう。

財布がないのでお店にも入れないし、スマホがないので誰とも連絡がとれない。

それだけでも十分に最悪な状況なのに、先ほどからポツポツと雨も降り始めている。今朝の天気予報では雨なんて一言も言ってなかったはずなのに。

次第に雨足は強くなりザーッと音をたてて降り始める。

もちろん傘なんて持っていないので髪や服が少しずつ雨に濡れていく。
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