堅物社長にグイグイ迫られてます
どうしよう、どうしよう。

そんな心の中の動揺を御子柴さんに気付かれないようにするけれど、

「どうした」

突然口を閉ざした私を不思議に思ったのか声をかけられてしまった。

「な、なんでもないです」

笑ってごまかすけれど、そんな私を見る御子柴さんの視線は鋭い。

でも言えるわけがない。

両親の結婚記念プレゼントの海外旅行で奮発し過ぎて貯金の残高がわずかしかないなんて、御子柴さんには絶対に言えない。

もし言ったら呆れられるし『お前はどこまでアホなんだ』ってきっと怒られるに決まってる。

それでも、どうしても両親にハワイ旅行をプレゼントしたかったんだから仕方がない。

子供の頃からドジばかりでどこか抜けた性格の一人娘の私のことを両親はいつも心配してくれた。そんな二人に、私も今は東京で頑張って働いてこんなに大きなプレゼントをできるまでに成長したところを見せたかった。

ハワイ旅行だけなら貯金の半分を使うくらいで済んだのだけれど、飛行機やホテルのランクを上げたり、豪華なレストランを予約してしまったり、母親のために豪華なエステを用意したり、様々なオプションを付けていったところかなりの予算オーバーになってしまい、もうここまできたらかなりの豪華旅行にしてあげようと調子に乗ってしまった。
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